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<Cygwinのススメ>

 Cygwinとは、簡単に言うとWindows上にUnixの環境を作ってしまおうというものです。 これによりShellはもちろんX-Server、OpenSSH、Emacsやgccなどの環境が容易に手に入れることができます。 サーバー管理など仕事柄普段からUnixを使っている人はもちろん、 Windowsでコマンドプロンプトを利用している人にもお勧めです。 なぜならシェルスクリプト、エイリアス、tab入力補完や、パイプラインなど、 同じCUIでも比べ物にならないほど高機能で使いやすさに優れています。 今回はそんなCygwinの導入についてです。

 まずはCygwinのインストールです。http://www.cygwin.com/ からsetup.exeをデスクトップなど適当な所にダウンロードします。 setup.exeを実行して「次へ」を押します。今回はインストールまで行うので一番上の"Install from Internet"を選択して次に進みます。 Root DirectoryはCygwinのroot directoryなのでdefault(C:\cygwin)のままか、階層の浅いフォルダが良いでしょう。 基本的にInstall ForはAll Users、File TypeはUnixにしておくのが無難だと思います。 Local Package Directoryは例えば"C:\cygwin\package"とでもしておいたらよいかと思います。 Internet ConnectionはDirect Connectionで、次のサーバー一覧はできるだけ速い日本のサーバーを選びます。 次にインストールするパッケージを選択するのですが、ここではAllの右のDefaultを一度クリックしてInstallにしてまとめてインストールする事にします。 変更されるまでが結構遅く、反応していないのと勘違いして連打するとUninstallなどズレてしまうので注意。 分かる人は使わないShellやGame、各アプリケーションなど不必要なパッケージのチェックを外せますが、 あとからXFree86がほしいとか、OpenSSH入れてSSHサーバー立てようと思ったけど、他にcygrunsrvが必要だったなんて事にもなるので、 ディスク容量に制限がある方以外は全部入れてしまうぐらいの感じでもいいかと思います。 ここまで来るとダウンロードとインストールが始まります。 回線速度とPCのスペックにも依りますが、それなりに時間がかかると思うので、一度放っておいて終わるのを待ちましょう。

 インストールが全て完了したら、Cygwinを立ち上げる前に環境変数の設定を行います。 マイコンピューターを右クリックして「プロパティ→詳細設定→環境変数」と進みます。 新規から変数名を"CYGWIN"、変数値を"ntsec tty"(XP/2000の場合。Me/98など98系OSは"ntsec"→"nontsec")としてOKを押します。 次に"HOME"を"/home/(ログイン名)"、"SHELL"を"/bin/bash"(或いはtcshなど)とします。 さらに"path"に"c:\cygwin\bin"を追加するとコマンドプロンプトからもUnixコマンドが使えるようになります。 次に"C:\cygwin\etc\profile"をメモ帳などのエディタで開き、最終行に"test -f ./.bashrc && . ./.bashrc"を追加します。 これでデスクトップ上のショートカット等からCygwinを一度起動してみます。 これで問題なく起動すれば、ひとまずCygwinのインストールは完了しました。

 あとは細かな各種設定なので、分かる人は読み飛ばしてもらえればいいですが、 どうしたら良いか分からないという方はとりあえず以下にしてみてはいかがでしょう? まず、bashは起動時に"/home/(ログイン名)"にある".bashrc"を読みに行くので、 "C:\cygwin\home\(ログイン名)\.bashrc"をエディタなどで作ります。 設定の詳細は随分と長くなるので例えばこんな感じという見本を置いておきます。

export SHELL=/bin/bash
export HOME=/home/(ログイン名)
export MAKE_MODE=UNIX
export TMPDIR=/tmp
export TZ=JST-09
export LANG=ja_JP.SJIS

PATH=/usr/local/sbin:/usr/sbin:/sbin
PATH=/usr/local/bin:/usr/X11R6/bin:/usr/bin:/bin:$PATH
PAGER=less
JLESSCHARSET=japanese-sjis
export PATH PAGER JLESSCHARSET

PS1="$HOSTNAME:$USERNAME:\w$ "

if [ -n ${DISPLAY} ]; then
 export DISPLAY=localhost:0.0
fi

if [ ! -n "${TERM}" ]; then
 TERM=cygwin
fi

alias ls="ls -F --color=auto --show-control-chars"
alias la="ls -a"
alias rm="rm -i"
alias mv="mv -i"
alias cp="cp -i"
alias q="exit"


 さていよいよ使い始めてみようという段階で、恐らく多くの人が困るのが「デスクトップ」ではないでしょうか? Windowsを中心に使う人はデスクトップを拠点としている場合が多いので、 Cygwinからデスクトップへアクセスしたいと思う人も少なくないでしょう。 まず基本としてはWindowsのファイル/フォルダは"/cygdrive"下にマウントされています。 例えばWINDOWSフォルダなら"/cygdrive/c/WINDOWS"です。 デスクトップはXP/2000なら"C:\Documents and Settings\(ログイン名)\デスクトップ"にあります。 ところがデスクトップは日本語名なので入力できません。 そこで「スタート→全てのプログラム→アクセサリ」からコマンドプロンプトを開いて、 左上の小さなアイコンをクリック、「編集→貼り付け」で"デスクトップ"を貼り付けます。

Microsoft Windows XP [Version X.X]
(C) Copyright 1985-2001 Microsoft Corp.

C:\Documents and Settings\(ログイン名)> ln -s デスクトップ desktop

こうすると"C:\Documents and Settings\(ログイン名)"に"desktop"というシンボリックリンクができるので、 これを"/home/(ログイン名)"などに移動すれば、"cd desktop"などでデスクトップに移動できます。

 あとこれは余談ですが、デスクトップ上のショートカットなど普通にCygwinを立ち上げるとコマンドプロンプト上で動作し、 lsの出力等も遅く、普通はスタイルが適用されておらず見た目的にも劣ります。 かと言って、いちいちXサーバーを走らせてxtermやrxvtというのも面倒です。 "UTF-8 TeraTermPro"など本サイトで紹介しているターミナルエミュレーターには、 ローカルのCygwinに接続できるものがあるのでこれを利用するのも1つの方法だと思います。 "UTF-8 TeraTermPro"なら"Setup→Additional settings→Cygwin"からインストールパスやシェル等を設定するだけでOKです。


少し記事が古いので、今や少し当てはまらない事もありますが、あくまで参考リンクという事で。
参考リンク:http://pcweb.mycom.co.jp/special/2002/cygwin/002.html
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